INS は 岩手ネットワークシステム の略称です。
岩手県内の科学技術および研究開発に関わる産学官民の交流組織です。
( 産=企業、学=大学、官=行政、民=市民 )
★「INS岩手山火山防災検討会」
岩手県における火山防災は、1997年11月に INS「地盤と防災研究会」 が岩手山の状況と防災対策を話し合うシンポジウムを開催したことからスタートしました。
火山性地震が頻発し始めた5月16日には、同研究会の中に、建設省東北地方建設局岩手工事事務所・盛岡営林署・盛岡地方気象台・自衛隊など国の機関や県・周辺市町村の防災担当者、道路公団・NTT・東北電力、JRなどの公益法人や民間企業の担当者などからなる 「岩手山火山防災検討会」 を立ち上げ、横の連携をはかるべくざっくばらんな議論を行い、実務的な対策を進めてきました。また、地域の安全を目的に、研究者・行政・マスメディアの連携のための活動を展開しています。これらの会合は30回以上を数え、行政の公的な委員会を実務的に支える重要な役割を担っています。
一方、火山との共生を図るためには、地域住民が正しい知識をもち、防災への認識を深めることが不可欠です。地域住民への説明会、学校での防災研修会などの主催や参加も100回を越えました。
岩手大学には、火山観測の専門分野も観測機器も少なく、観測の中心は気象庁と東北大学の地震・噴火予知研究観測センタ−であるため、同センタ−長の浜口博之教授の全面的な支援を戴いて火山観測デ−タの提供を受け、一部はリアルタイムで監視ができる体制を整備しつつあります。建設環境工学科では、岩手山の噴火史研究の第一人者である土井宣夫地熱エンジニアリング且蜷ネ技師長と連携しトレンチ調査などによる噴火史の解明や噴気観測など岩手山の表面兆候の観測による火山活動の評価、火山性微動の観測による火山構造の解明にをめざした調査・観測を展開しています。また、INSに参加している事業所や団体の協力を得て、山体の変化を観測する光波測距、山体周辺の温泉・湧水の水質変化、地表の熱的変化を調べる赤外映像調査などを実施するとともに、各地の研究者や研究機関と観測デ−タの集約を図っています。
★地域が連携しての火山防災への取り組みは 「岩手方式」 として全国的にも注目されています。
「INS岩手山火山防災検討会」 1998年5月16日発足
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