■ 西側で拡大した高温域 ■
今年度の東側の登山は十月八日で、まずは無事終えることが出来ました。反省点はこれから掘り起こし来年度の対応を図ります。このまま噴火に至らず活動が沈静化に向かえば、西側の規制緩和についても検討しなければなりませんが、今も地温の高い状況が続いています。大地獄谷、黒倉山山頂、円形裸地、黒倉山西側裸地から姥倉山にかけての稜線部は、従来から地温が高く、部分的に噴気が出ていました。1999年5月29日に黒倉山山頂の噴気が強まり注目を集めて以降、同山頂と大地獄谷の噴気は断続的に強い状態が継続しています。大地獄谷の西小沢は長さ三百、幅二百メ−トルと大地獄に匹敵する範囲で樹木が枯れ、全面から噴気が立ち上っています。黒倉山〜姥倉山北斜面でも広範囲で笹が枯れ、八十箇所以上の噴気孔が確認されています。黒倉山北斜面の樹林地帯では、沢に沿ってオオシラビソなどの枯れ死が拡大しています。大地獄谷以外では、噴気温度は97度以下で地下の熱水のたまりが、マグマの熱で暖められ、地表にしみだしているものと考えられます。水蒸気爆発の可能性は小さいと思いますが、地温の高い状態はしばらく継続するものと思われますので注意が必要です。
6市町村広報 2001年11月掲載より